【確認済証と検査済証。2】




続きです・・



増改築をするためには、
木造住宅などの場合は、

昭和56年6月以降に、
確認申請を取得した確認済証のある建物で、
完成時に完了検査を受け検査済証がある建物は、
新耐震既存不適格建築として、
構造以外の指定された基準を網羅すれば増改築が可能で、
増改築の確認申請を出すことが出来る。
ということになります。

つまりは昭和56年6月以降に建てていれば増築改築リノベーション用途変更も可能なわけです。



これに対して、
昭和56年6月以前に、
確認申請を取得した確認済証のある建物の場合は、
たとえ完了検査を受けて検査済証があっても、
新耐震の既存不適格建築とはみなされないので、
構造体を含めた改修をしなければ、
確認申請を出すことが出来ない。
ということになります。

つまりは昭和56年6月以前に建てていれば構造体も改修しなければ増改築が出来ないので、現実的に増改築などは不可能とはいわないまでも非常に難しくなる、
ということになるわけです。



つまり、

確認済証検査済証は、

その建物がいつの建築基準法で建てられたのかを証明する物、

なのです。

 

 

 

実際にはほんの5年前に建てたばかりです、
でも確認済証検査済証もありません、
適当にやっちゃいました!

となると、
その建物は昭和56年以降に建てたという証明が出来ない。
実際はこないだだ!
なんていうのは法律上はまったく通用しません。



なくしちゃっても、
役所に記録があるでしょ~!
なんて言う方も多々いらっしゃいます。

あります。
確かに。
でも、
役所には保管期間というものがあります。
それを過ぎれば全て破棄されて、
ただ確認申請出しましたよっちゅう台帳の記録だけしか残っていません。
中身がないんです。

 

 

 


まあ、
なんもかんも残してたら役所に倉庫何棟建てても足りないでしょうしね。



それでも、
なくしただけでちゃんと確認済証検査済証を取得していたのであればまだ良いのですが、
そんなもんいらん!
なんて言って取得していないと、
もうどうにもならない。



古い建物の方はみ~んなこれで悩んでいるわけで、
そうなると、
はっきり申し上げて建て直した方がはるかに安いっちゅうことになるわけです。



間違えてはいけないのが、
確認済証さえあれば良い、
ということではないということ。
昔はこれが多かった、
検査済証がない。

その確認申請の通りに建てられたということを証明するのが、
検査済証です。

つまり、
確認済証検査済証の二つが無ければ、
その建物がその当時の建築基準法に適合して建てられたことの証明にならないので、
その建物に関わる確認申請を出すことは、
出来ないのです。



もちろん、
増改築リノベーション用途変更などであっても少々のリフォームでない限り確認申請は必要です。
それが出せない、
ということは、
つまりその増改築などは出来ないということになります。
法律違反です。



中古建物を取得される際はくれぐれもご注意を。
いつ建てた建物なのか、
確認済証検査済証はあるのか、
確認してください。

安いからと急いで買ってしまうと、
後で増改築などが何もできない、
将来売ろうと思っても売却できない、
なんてことになってしまうかもしれません。



それと、
新築をされた方、
建物を建てた方、
買われた方、
絶対に確認済証確認副本検査済証
これはなくさないでください。



住宅メーカーなどや建売住宅を買う場合など、
確認申請や完了検査をやっていることすらお客さんが知らないことがあります。
設計も申請も工事も全部ひっくるめていくらでやってるからです。

どんな建物であっても確認申請と完了検査は絶対にやっています。

下手するとよく知らない営業マンなんかがほっぽっちゃってたりしますので、
絶対に確認済証確認副本検査済証をくださいと言ってもらってください。

冗談ではなく本当にくれなかったりすることが多々あります。
合格したんだからもうえ~やろ~、
なんて何にも知らない営業マンが捨てちゃってたりすることが、
あるのかもしれませんから。



何十年もたったからもういいやろ~
なんて捨てないでください。

その建物がある限り押入れの奥に大事にしまっておきましょう。

 

 

 

 

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【確認済証と検査済証。1】



実は、
この4月から様々な許認可の申請料が上がった、

中でも大きいのが確認申請料検査申請料
っちゅうお話しをしたのですが。
 

 



なんかお間違いの方がいらっしゃるようなのですが、
これは審査機関に払うお金であって、
私達申請代理者は1円も頂いたりはしていません。
審査機関が審査業務をするための手数料と税金になるお金です。

そしてこれらの申請料というのは、
申し訳ありませんが申請者のお客様にお支払いいただくもので、
私達は立て替えることはいたしますが払うことは出来ません。



そこで、
そんな確認申請完了検査をしないとどうなるかっちゅうお話をしようかと思います。



都市計画区域内に建物を建てるときは必ず確認申請完了検査申請をして確認済証検査済証を取得しなければなりません。
その際に審査機関に払うお金が先の確認申請料検査申請料になります。



木造住宅などの場合は上棟時に中間検査なんかもあるのですが、
これに合格するともらえるのは中間検査済証

 

ただ、
まあこれは工事においては構造体の検査という非常に重要な検査ではあるのですが、
なくしても完了検査検査済証があればある意味困らないのでここではおいときます。

 

 

 


ようするに、
中間検査済証がなければ完了検査申請が出来ないので検査済証があれば必ず中間検査は合格しているっちゅうことなので。



そんな確認申請をして合格すると確認済証なるものがもらえます。

 


 

確認済証というのは、
建物を建築する前に設計図や諸々の書類などを建築確認申請として審査機関に申請し、

 

 

 

 

建築基準法などの関係法規に適合しているかどうかの審査を受けて、
合格するともらえるものです。



さらには建物完成時に完了検査を受けて合格すると検査済証なるものがもらえます。

 


 

検査済証というのは、
建物が完成した時に建物の完了検査を受けて、
この完了検査には検査官が実際に現場に来て建物を見て検査を受けます。

 

 

 

 

確認申請書通りに建物が出来ているかどうかの検査を受けて、
合格するともらえるものです。

そして、
これらがないと登記が出来ず銀行さんもお金を出してくれません。



昔は、
といっても20年くらい前まででしょうか?
けっこう検査なんか受けなくていい!
なんて言って受けない建物も多々ありました。
なくても登記できましたし、
銀行さんもけっこう適当にお金を出してくれたからです。

昔はいい加減だったんですよね、
特に田舎の方なんかではほとんど検査なんて受けてませんでしたね。
近所の大工さんが適当に作って終わりって。



が、
それで今困りまくっている建物がたくさんあります。

増築しよう改築しよう、
中古建物買った、
なんて時に確認済証検査済証がないと、
えらいことになります。

増改築リノベーション用途変更なんかができないんです。

 

これらを行うためには再度の確認申請完了検査が必要になりますが、

それを受け付けることが出来ません。

勝手にやれば法律違反です。

 

まあ、

昨今はそんな工事を請け負ってくれる工務店さんや業者さんはいませんが、

だってばれたら免許停止登録抹消になりますから・・

 

さらには、

銀行さんがお金を貸してくれません。
中古で売買に出しても売ってもらえません。

もう、
解体して更地にして土地だけ売るか、
建て直すしか手がありません。



どうしても増改築などをしようと思うと、
一から現行の基準法にあわせて設計し直して改修して、
確認済証検査済証をとりなおさなければなりません。

昔の建てた当時の建築基準法ではありません。
今の建築基準法に・・



建築基準法は毎年毎年どんどんかわっています。
大きな地震や災害があるたびに、
環境対応するために、
昨今ではSDGsなどで、
どんどん変わっているんです。

それこそ20年前と現在ではまるで違う法律のようです。
建築基準法の書籍なんて何倍もの厚さになっています。

 

 

 

 

 

 


それにあわせる、
これは本当に大変です。
特に構造体などは古い建物だともう不可能です。
だって、
基礎など土の中は直しようがありませんから。



この建築基準法の中で構造に関わる基準が大きく変わったのが俗に言う、
新耐震
というやつです。

それまでは、
旧耐震」で、
そこからは「新耐震」、
と呼ばれています。

その変わり目が、
昭和56年(1981年)6月
この時に建築基準法構造規定が大きく改正されました。

これより前に建てた建物が旧耐震で、
これより後に建てた建物が新耐震

覚えておいてください、
境目は昭和56年(1981年)です。



その後、
さらに基準が変わって現行になったのが、
平成12年(2000年)となります。

ただこれは、
まだなんとかなりますが、

昭和56年6月より前の旧耐震の建物、



これだけはどうしようもありません。

まあ、
どうしてもやれと言われれば何だって出来ないことはないのですが、
はっきり申し上げて建て替えた方がはるかにお安くできます。
 

 




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4月になりましたね。
新入社員や新入生が街にあふれています。

初々しくて見ているとこちらまで嬉しくなってきますね。
自分の時のことを思い出したりもしますが、
もう何十年も前の話ですので全然覚えていませんです・・笑。
 

 



4月と言えば、
またまたなんもかんもが値上がりですよね、
いやはや、
どいつもこいつも便乗値上げにしか見えませんが。
そんな値上がり話の一つです。

あまりにもびっくりした話をひとつ。



実は、
この4月から上がった物の中に、
許認可の申請料があります。

中でも大きいのが確認申請料検査申請料



建築、
何もかもが値上がりしています。

コンクリートも、

 

 

鉄筋も、

 

 

鉄骨も、

 

 

外装材も、

 

 

内装材も、

 

 

設備機器も、

 

 

そう、

そして申請料も。

 

いやはや、

申請料なんて上げなければならない理由なんてなんも無いと思うのですが?

電気もガソリンも戦争も円安もなんも関係もないと思うのですが・・

 

そう、

なんもかもなんです。



工務店は早く見積もりしましょう、
早く早くとやんやの催促です。

来月になるとまた値上がりする、
来来月にはさらに値上がりするからです。

もう、
間違いなく建築費はコロナ前の1.5倍以上!
と言われています。
コロナ中じゃありませんコロナ前の、

体感的にはそれどころじゃない気もしていますが。



まあ、
仕方ないことではあるのでしょうか、
皆の所得が増えるまでの辛抱ですか、
大企業以外はそんなの夢の又夢なんでしょうがね。

だって大企業は社員の給与を上げるために取引先の中小企業をたたきまくってるって話ですから。
日本の企業の企業数の99%、企業人口の70%は中小企業なんですけどね。
つまり日本の30%の人は賃金上がりますが、
70%の人はその分賃金下がる、
っちゅうことになりますもんね。

はぁ~
何だろうね~この世の中。

こんな世の中にするために私達一生懸命に働いてきたんじゃんないんですけどね。



実は、
先日からいろいろと許認可申請検査があったのです。
ここの所の長雨でいろいろと現場が遅れたりして検査が急がれるわけです。

早く検査受けないと間に合わん!
ちゅうわけです。

何しろどんなに雨で仕事できなくても完成・引き渡し日は変わりませんから。



そんな申請検査審査というのは昔はお役所だけにしか出来なかったのですが、
今は民間開放された審査機関に出すのが普通です。

というか、
今ではお役所はほとんどが確認申請完了検査などは受付していません。
ま、
例の姉歯事件のせいですかね、
怖がって責任取りたくないからやらんようになりました。



国の認可をとってこういった審査検査を行う審査機関が愛知県にもいくつかありますので、
我々はそういった審査機関確認申請完了検査申請を出します。



実は、
こういった審査機関は民間運営なので各機関によって申請料が多少違います。

その審査機関が国から認可を受けている地域や範囲が違ったりするため。

それと、
大きな建物を得意とするところ、
住宅などを得意とするところ、
構造計算を得意とするところ、

などなどいろいろその審査機関によって審査できる地域や主とする業務が違うためです。



そこで、
今回は住宅の完了検査申請をします。
以前に某審査機関確認申請をして確認済証を取得していますのでそこに申請します。

一番建物のことをわかってもらっていますので、
確認を取得したところで検査してもらうのが普通です。



で、
その審査機関のHPを見ていると、
なになに、
4月1日から値上げします。

は~

ここもか。
まあ仕方ないのか?



木造住宅の確認申請料はよほど大きな住宅や3階建てなんかでなければどこでもだいたい3万円程度。
中間検査完了検査もだいたいそんなもんです。

まあ出す審査機関によって多少の差はありますが、
あっても数千円程度のもんなので。

なので全部合わせてまあ10万円くらいになりますと、
お客さんにはお話しします。
今までは。



で、
4月からいくらになるって?
フムフム・・
なになに・・

 

 

え~!!!!



びっくりの10万円!!!!!


なんじゃそりゃ~!!!!
 

 

いきなりの、
3倍以上!!!!!

 


 

確認申請中間検査完了検査と3つあわせて30万
 

 


マジか~
ポカ~ンと、
あいた口が塞がらない。

 




値上がりするにしてもほどがある



出来れば確認申請と違う審査機関での完了検査は避けたい。
でも、
高すぎる。
お客さんにそんな値段言ってないし。

で、

4月からなので、

おおあわてで準備して申請書を作成して、
現場にはかなり早いけどもう検査受けるぞ!
って言って、
3月末にギリギリで完了検査申請を・・

なんとか申請料3万円ですみました。

でも、
もうここでの住宅の申請は無理だな。
高すぎる。



これからどうしよう・・
他の審査機関を見てみるとどこもかしこも値上げです。
中に同じような値段になった所がちらほらと・・

そうかと思えば、
今まで通りの所も、
が、
そういう所は住宅以外の建物が異様に高い!
なんか、
お見積もり応相談とか書いてあるし、
それっていくらかわからんっちゅうこと?

いやはや、
これからは確認申請出す都度に、
建物の建てる地域や用途や規模によって、
どこに申請出すか検討しなければならんようです。

めんどくさい・・・



そう言えば、
なんか、
考えてみるとなんもかもが値上げしてるのに、
設計料だけは全然変わってない・・
気がする。

いや~
上げれば良いのか?
いや~
どうよ?

 

 

 

 

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