【真北測定1】

 

 

ちょっと前の話、
真北測量に行きました。



真北測量って何?
そもそも真北って何?



何って・・
真北は北の方位です。
「しんぼく」と呼びます。

方位を示す東西南北、その中でも基準になる北というものには、
磁北と真北があるんです。



簡単に言うと、
磁北というのは方位磁石が指し示す北のことで、
これは地球の地磁気の極を指す方向のことです。

 

 

 


これに対し真北というのは地球自体の極の方向、
つまり北極点を指す方向のこと。

 

 



実はこの磁北と真北はけっこうずれていて、
東京では7度近くもずれているんだそうです。

しかも、
地球の地磁気の極というのは常に動いているのだそうで、
つまり方位磁石の示す北というのは測るたびに微妙に方向が違う、
ということになります。

ま、
方位磁石ちゅうもんはだ~いたいあっちが北!
を示してるちゅうことです。



ところで、
私たち建築士は建物の設計をする際には、
建築基準法で様々な法律に適合するように設計をしなければなりません。
その中にこの北という方位が大きく関わってきます。



まず日影規制
一定以上の規模の建物の場合は日影図を描いて、
その建物を建てると敷地外にどれだけその建物の影が出来るのか。

夏至の日、冬至の日、
何時にはどこに影、何時にはどこに影、
何時から何時まではどこが、何時から何時まではどこが
とそれを図面にして、
そのの量や範囲が基準値以内におさまるよう計算して設計しなければなりません。

それから北側斜線高度斜線
第一種低層住居専用地域の場合は北側斜線
各市町村が指定している高度地区などの場合は高度斜線
これらは真北方向に斜線を引いてその範囲外には建物を建てることが出来ません。

どれもその建物を建てることによって出来るの影響を規制する法律になります。




は太陽によってできます。
なのでその太陽のある位置が非常に重要になるわけです。



なので、
これらの規制を検討して設計するために、
太陽の位置を正確に出してその建物を建てた時に廻りに出来るの量や範囲がどうなるのかを計算して設計する必要がある、
ということになります。

 

 

 


そこで必要になるのが真北という方位になるわけです。
磁北では太陽の位置とはまったく関係がなくてずれていますし、
そもそも測るたびに方向が違います。



難しい説明が長くなってしまいました。

建物の設計をする際には真北を知る必要がある、
ということはわかってもらえたでしょうか?



そんな真北ですが、
だ~いたいこっちの方向!
なんてのは国土地理院とかの地図を見ればわかります。
こういった地図というのは全て北は真北です。

もう少し細かく見たければ各市町村などが作成している都市計画図などを見ればもう少し正確にだ~いたいの方向はわかります。

ただどちらも地図の方位自体は真北で正確なのですが、
残念なことにそこに描かれている敷地や建物や道路などはそこまで正確ではありません。
だって縮尺が1/5000とか1/2500とかですから。



そのため企画や計画の際にはそういった地図を元に当初は計画しておいて、
後日設計に入るまでに正確な真北を調べる必要があるわけなのです。



方位というのは、
ただ南向きの部屋にするから、
なんてことだけではないんです。

それならだ~いたいで十分なんですが。





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